「天空庭園」は地下35Mの山手トンネルと地上高架の首都高3号渋谷線を接続させるための巨大な円筒型ループの屋上に設けた屋上庭園であるが、まだオープンしたばかりだからいかにも人口庭園のような感じがする。
樹木やみどりが将来どうなるのかはわからないが、いまの方が未来都市のような感じもする。
田圃もあるようだが、いっそのこと児童公園のようにパンダやカバのフィギアのあるコーナーやパトカーや消防車や小さなロープウエーのあるコーナーがあればもっと未来庭園になるような気もする。
いや、豆自動車でぐにゃぐにゃ立体交差する迷路をめぐる児童向け遊戯施設なんていうのがこのJCTにふさわしいのかも知れない。
4枚目と6枚目は5階部分で「天空庭園」と接続するプリズムタワービルである。
5枚目は9階部分で「天空庭園」と接続しているクロスエアタワービルである。
このように接続階が異なるのは屋上がJCT施設のループのためである。
★日本の屋上庭園と屋上緑化
屋上庭園と屋上緑化は多少思想の原点が違うようだが、現在では都市のヒートアイランド現象に伴って、全国で屋上緑化が唱導されている。
調べてみたら日本で最初の屋上庭園は日本橋三越本店の屋上庭園(明治40年開園)だそうだが、これはデパートの客寄せ施設で面白いものではない。
おなじ客寄せ施設でも松屋浅草の屋上は庭園、動物園、ミニチュア機関車、8人乗りロープウエイ、その他遊戯施設と「ごった煮」ではあるが、なんといっても屋上の端から端へとロープウエイが浅草の空を走るのが面白い(昭和6年)。写真
その他、単に屋上緑化というにはあまりに「異常」ともいえそうなものに、「アクロス福岡 ステップガーデン」というのがあった。1995年4月の竣工当時は苗木が植えられただけでコンクリート面と骨組み剥き出しの状態であったそうだが、土壌も現地で作られ、風媒や鳥媒による自然木の根付きも手伝って、20年後には当初75種類であった木々は200種類近くまで増え、森とも呼べる規模に育ったのだという。
ここまでやれば屋上緑化の範疇を超えて、森の中のマンションだろう。写真
ユニークな設計思想で渓谷の森を模した難波パークスも面白い。2003年開業の1期事業に加え2007年に2期事業が追加され、現在の緑地面積は合計33,000平方メートル。
屋上庭園では、約300種、約70,000株の植物が植えられているそうだ。写真
大橋JCTの屋上緑化は都心を高架で走らざるを得ない首都高のイメチェンを意図したものだろうが、関心を呼ぶのは不可能を可能にしたJCTの構造の方で、この屋上緑化に「天空庭園」という命名は福岡や難波に比すればやや誇大広告という感じは否めない。
換気塔の屋上の「里の杜」の屋上田圃なんていうのはちょっと発想力が疑問だ(もっとも首都高の名誉のために云っておくと「天空庭園」も「里の杜」も管理者は目黒区で、首都高は多分資金援助者に過ぎないだろう)
世界最古?の屋上庭園は王妃のご機嫌を取るために建設されたという「バビロンの空中庭園Hanging Gardens of Babylon」 で、こちらは王国の富と文化の象徴だろうから日本のそれとは比較対象にはならないだろうが、これが「空中庭園」の原型だ。むろん環境対策の屋上緑化ではない。この世を離れて天に浮びたいという憧れだ。