丹下健三による吊り屋根構造の国立代々木競技場が出来たときは、世界中の建築家の耳目を惹きつけたが、50年経過したいまはむしろ敗戦国日本が本格的復興に向ったモニュメントとしての風格がただよってきた(ようにみえる)
建築物の持つランドマーク性、歴史的シンボル性というものが、優れた作品には如何に強いかということがわたしのような素人にもわかるようになってきたのは50年という時間の経過によるものだろうか。
(東京タワー(内藤多仲と日建設計株式会社の共同設計)もそうだ)
ケーブルによる吊り屋根なので、当然屋根の端末からはケーブルが露出し、それを収めるアンカーが必要になるが、それ自体がデザインされた建築物となっている(三枚目の写真)
アンカーの方からケーブルと支柱を見るとなにか兜のようにもみえた。
切妻屋根の上に千木(ちぎ)が突き出しているので、神社の屋根を模しているようにも見える。
ところで、2020年東京オリンピックの開会式場に予定されている神宮外苑の新国立競技場(国立競技場建替え案)について、1964年の東京オリンピック時の「東京体育館」の設計者だった槙文彦氏が新国立競技場の設計案が巨大すぎること、建物外壁の高さが70mにもなり外苑の歴史的景観への配慮に欠けることなどの問題を提起して、シンポジウムや個々の建築家からの意見などが散見されるようになってきた。わずか17日間のオリンピックの開会式・閉会式場のために8万人収容のスタジアムを恒久施設として建設し、以後どうするのかの見通しを示さないままではザハ・ハディド氏の宇宙基地のようなデザインもアンビルドの建築案に終るのか、それともそのまま強行されるのか?建設費は1300億円を上回るだろうといわれている。
東京オリンピックや全国各地の国体競技場の建設から得た教訓は、できるだけ仮設スタンドや仮設競技場にすることだったのだが。。