ティラノの眼
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そこにあったモノの続き。
ティラノは梅園の丘のはずれの小さな窪みで一人で吼えていた。
こどもは居なかった。鳥もいなかった。

オレでも喰うかい?と聞いてみたが返事がなかった。



ある日、世尊が弟子の阿難陀(うろ覚えで書いているので違うかもしれない)にわたしの舎利を見たいかと聞いた。阿難陀はもちろんですと答えた。それではあの仏塔の中にある小さな小箱を持ってきなさいと世尊がいった。
宝石で飾られた小箱の中にメノウのように白く輝く舎利があった。
これがわたしの(前世の)舎利であると世尊がいった。それから世尊は次のような物語をされた。



むかし、インドの北方の森に、飢えた虎の親子が居た。
母親は生まれたての子虎に乳を与え続けて狩に出る暇がなく、飢えてもはや乳も出なくなっていた。
そこへ、三人の王子が通りかかった。三人はこの親子はもうじき死ぬだろうと話し合ってその場を離れた。しかししばらくすると最年少の王子だけが考えた。


わたしはいままでなに不自由なく育てられて来たが、人の役に立つことをしたことは一度もない。
このままなに不自由なく生きていても一生なんの役に立つこともないだろう。
いま虎の親子は死にかけている。何かの役に立てるとしたら、この母虎に食われてやることしか出来ないだろう。
末の王子は一人で引き返し、母虎の前に身を横たえた。
しかし母虎は、その王子を食う力ももはやなかった。


そこで、王子は断崖から飛び降り自らの骨を砕いて虎に喰いやすくしてやって、虎の前に身を横たえた。それでも、虎は王子を食うことが出来なかった。
それで今度は竹やぶの竹を削って自らの首を刺し、血を流して虎の前に横たわった。血は母虎の前まで地面を流れて、それをひたした。虎はそれをなめた。そして漸く王子を食った。


王の家来たちが王子を探しに来たときには、その跡には王子の骨だけが散らばっていた。
最愛の王子を失った王と王妃は深く嘆き悲しみ、わが身命に代えたかったと深く重い定めて骨を拾い集めて仏塔を建てた。
そのとき天地は震動し天からはかぐわしい無数の華が降り注いだ。


これは釈迦の前世物語(ジャータカ)の中にある捨身(しゃしん)の修行を説いた本生経のうろ覚えの一説です。多少間違っているかもしれません。
釈迦の前世物語はむかしは有名で多くの人に知られていたようですが、現在ではこの「捨身飼虎」の話も検索で確かめたかったが、うまく検索できなかったのでうろ覚えのまま記した。



★若い命を「特攻」で散らした兵士たちも、この「捨身」の教えを心の支えにして散っていたのかもしれないなとふと思いました。必死の覚悟の行動を冷静に為しうるにはなにか心の支えが必要でしょうから。

ティラノの眼から、飛んだところまで脱線しました。
by aizak3 | 2013-03-22 13:04
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