あじさい曼荼羅 4
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「一は多であり、多は一である」というと、なにか哲学的な真理を表す言葉のようにひびく。

わたしも浅はかにそういう思いで、あじさいに挑戦したが、一枚で一切世界を表すあじさいは撮れないので、ずらずら並べている。


それでは、ずらずら並べた「多」が少しでもあじさいの中から「一切」を表しているかと言えば、とんでもないということになっている。表れているのは、軽薄な思いつきと哀しい腕の「一切」だ。


それで、こんな思想の根源である「華厳教」について、中村元の解説である「人類の思想史の流れにおける『華厳教』」を読んでみると、わたしのかる~い理解はとんでもない誤りであることがわかった。


単に「一が多である。多は一である」では、「朕は国家なり」にも通用するし、「天皇は国民・国家であり、国民・国家が天皇に体現されているのである」にも通用してしてしまう。


しかし、華厳でいう「一は一切であり、一切は一である」という意味は哲学的に深化されたもので、全く違っていた。


以下は、中村元の「人類の思想史に流れにおける『華厳教』」から、自分用にわたしが要約した抜粋である。


拙いあじさい写真とはなんの関係もないから、ウザイと思う人は無視してください。




華厳経の中心思想にすべての事物は、相互依存によって存在しているいう「法界縁起」の思想がある。「縁起」とは、「縁って起こる」ということで、いかなるものも孤立して存在しないということを表す思想である。


この相互依存の関係は、物と物、人と物、人と人の間で成立するだけではなく、過去・現在・未来と言う時間軸でも成立しているとされる。


この道理を華厳の教学では、「芥子、須弥(しゅみ)を入る」という。
小さな芥子粒も単独で成立しているわけではないので、その存在自体が「縁起」の道理で考えれば、世界の中心をなすとされる須弥山を包含しているというのである。


現在生きている人は、無限の過去を背負い、また、現在から未来が生まれるのであるから、無限の未来の可能性をはらみ、無限を含む。


竜樹が説いた「中論」を奉じる「中観派」は華厳によく似た思想で、「一に依って一切を知る(一つのものを知ることによって一切を知る。一つのものによって一切を見る)」という。


またインドの古い宗教である原始ジャイナ教でも「一つのものを知る人は、一切のものを知る。一切のものを知る人は、一つのものを知る」と既に説いていた。


華厳の思想はこれらの思想を発展深化させたものである(内容は略す)



このような思想は西洋にもあった。


西洋でも新プラトン派のプローディノス(205-270年)は「それぞれのものが、一切のものを有し、また一切のものであり、一切のものとともに世界にあるのであるが、世界においてはいかなる個物も全体から隔絶していない」と相互依存の「縁起」を主張している。


また、プローティノスは華厳の「事事無礙」(さまざまなものが互いに障りなく存在していること)の道理も主張している(略)


プローティノスと「華厳経」はほぼ同時代であるが、華厳の思想の方がやや古いかもしれない。と中村元は考えている。


華厳の思想は国際的で、アレクサンドリアへいって西洋の思想に影響を及ぼしたと考えられる。(例証は略。ユダヤ教はインドの思想と無関係であるが、キリスト教(カトリック、ギリシャ正教)はインド仏教の儀式様式をさまざま取り入れている。現代のドイツの宗教学者エルスント・ベンツ教授の『初期キリスト教神学に対するインドの影響』という論文がある)


中世になって、「華厳経」と同じようなことを説いたドイツの哲学者にエックハルト(1260-1328年ごろ)がいた。


エックハルトは「多が一として見られる→多が一の中に見られる→一が多の中に見られる→一が見られる。という四つのステップを考え、一つなるもの、これが多くのものより優れていると論じた。
これは「華厳五教章」の同体門に説かれているものに似ている。

(以下略)
by aizak3 | 2012-07-01 12:09
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