いずれも作品の一部分を写したもの。手法的には多分マルチスキャン。
薄墨色の二枚の作品は掛け軸風に細長く構成されていた作品の一部分だから、こんな風に切り取るのは作者には怒られるかもしれない。
しかし、世界が一つの焦点を持って眺められるのではなく、くっきりした輪郭を持たずに多重に見えるという点は共通している。
作者のホントの意図が何であるのかは知らないが、かすれて判然としない世界像が幾重にも重なって見えるという現実(認識)は単にシャレているのか、危機への告発なのか、わからない。
はじめはこんな風に見える世界を提示すれば人は驚いただろうが、いまではショーウインドウへの映り込みと同列で人が驚かなくなったのは確実だろう。
大使館ってどんなとこと覗き趣味で出かけたNO Man's LAND展だったが、こんなに楽しめるとは思わなかった。
押せば写るという大衆文化の最先端の写真(機)で、アートを眺めて、気軽に写して、しかもこんなに並べ立てることが出来るなんて思ってもいなかった。