入谷夕景 13  夏の夕日
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おととい見た映画の感想(おとといの話は聞きたくない人はご遠慮ください)

リーフェンシュタールが撮った「意志の勝利」はナチ(ス)の躍進を突撃隊(ナチ(ス)の党派防衛組織=私兵)の集会・ジャンボリー・パレードで埋め尽くした映像美の世界だった。

なるほど!
ヒトラー(ドイツ人にはめずらしい姓)の内容空疎でありながら、鬱屈した民衆の気分を高揚させる巧みな演説と、行進曲の調べ(リズム)とキャンプファイヤー(夜のしじま)を使った巧みな演出で、第一次世界大戦で永遠に支払えない超過酷な賠償金で奴隷国に陥ったドイツ下層民の暴力的憤懣の捌け口を、突撃隊に入隊させることで食と住と生きがいを与え、ドイツ革命下でようやく手にした土地を社会主義に奪われないように用心する農民には、社会民主党(第一党)と共産党(ローザ・ルクセンブルクとカール・リープクネヒト)に奪われないように、突撃するナチへの支持を取り付け、なにより「大ドイツ」共同体への本人にも定かではない郷愁と新しい幻想=「ドイツ民族の紐帯」を扇動的に利用することをこれほど見事に描いた映画はない。つまり、美しい映画である。

この映画を見ていると、スターリンの「若き親衛隊」がそっくり真似したものだったことも分かる。
組織の話ではない。若者の気分高揚と奴隷化への方法についてだ。

中年おじさんが熱狂するロックには、そんな危険はないんだろうね?
キャンプの明かりとパレードには気をつけろ!罠が仕掛けられているかも?
by aizak3 | 2009-08-18 20:10 | 東京下町
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